2004年3月13日(土)
ビーチコーミング
葉山しおさい博物館・一色海岸

葉山のしおさい博物館は、旧御用邸付属邸の趣を残す敷地に建つ「相模湾の海の生物」をテーマにしたユニークな博物館です。今日はそこの池田館長と一緒に葉山一色海岸でビーチコーミングを楽しみました。
ビーチコーミングとは、なぎさに落ちている漂着物を拾い集めて観察すること。この頃は自然の物より人間が出す人工物の漂着の方が圧倒的に多いけど、それでも注意して見ていると「?」と思うものや「!」とビックリするようなものがたくさんまざっています。


[海のゴミの一例] 自然物と人工物、どちらが多いかな?

海岸で最も目につく漂着物は海藻類。アラメ、カジメなどの昆布の仲間です。アラメやカジメは海中で林を作り、珊瑚やサザエのえさになったり、海を浄化するなどの働きをしてくれています。冬場なら浜に天然ワカメが打ち上げられていることも。しかし数ある海藻の中でワカメを選別するのは結構難しい。ヒジキはすぐ見分けられるんだけどね。
各自ビニール袋を手に、ビーチコーミングを開始。「面白いな」と思ったものをとりあえず拾い集めながら浜を歩きます。きれいな貝にこだわった子もいるし、ビーチグラスだけを集めた子も。30分後、池田館長の「集合!」の声で、それぞれが選んだ品を持ち寄って鑑賞会に。さて、池田館長を驚かすお宝をゲットした子は誰かな?
例えば、なんてことないカキの殻。だけど、推定6000年〜1万年前の縄文時代のカキなんだって。そんなものがゴロゴロ落ちているのは、当時この一帯が海中に埋もれていた証拠。そして、現在は絶滅寸前と言われているバイ貝の殻もいくつか見つかりました。バイ貝は、船底塗料のスズの汚染でメスがオス化してしまい繁殖しなくなったんだそう。葉山海岸の貝類だけみても、レッドリストにあがっている種は何十もあるんだって。池田館長のお話はとても具体的でわかりやすかったです。



今日は約30分のビーチコーミングを2回体験。貝殻から海のSOSが聞こえてきたり、縄文時代に思いを馳せたり・・。もちろん、人が出すゴミの種類の多さにも、あらためて気づかされました。砂浜には鋭い釣り針も落ちていました。この豊かな海を守っていくためには、何をしなくちゃいけないかという大切なことに気づいた子は、何人いたかな。

 ↑ しおさい博物館の見事な日本庭園  ↑ 江戸時代の人が食べた貝が埋まっている地層
 ↑ 一色海岸は磯の観察に最適な岩場も広がっています。
 ↑ アラメの説明をする池田館長
 ↑ さあ拾うぞ! お宝を探せ!  ↑ 「きれい。これ、珊瑚?」
 ↑ 天然わかめの干場。圧巻!  ↑ やった〜、私も海でゲット。
 ↑ 先生の説明を聞く子どもたち。「へぇ、へぇ、へぇ」の連発。
 ↑ 収穫物を持ち寄ると・・
 ↑ 縄文時代のカキの殻なんだって!
 ↑ 博物館の中も案内していただきました。


集合場所
葉山町 しおさい博物館
時 間
9時30分集合 解散12時10分
持ち物
・ 濡れてもよいスニーカーや上履き、長靴など
・ シャベル、バケツ、ビニール袋など
・ 観察用のプラスチック水槽、バットなど
・ フリース、ウィンドブレーカーなどの上着
・ タオル、着替え、履き替えの靴
・ セーターや毛布、あったかい飲み物など体を温めるもの
・ 甘いもの、軽食
・ 図鑑、ノート、筆記用具など
内 容
 9:30 オリエンテーション 参加にあたっての注意、今日のプログラムの説明
 9:45 海岸へ移動
 9:50 ビーチコーミング第一弾開始
 10:20 集合して、説明
 10:40 ビーチコーミング第二弾開始
 11:10 集合して、説明
 11:30 しおさい博物館へ移動
 11:40 しおさい博物館、館内の見学
 12:10 解散


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